オペアンプ多段増幅型ヘッドホンアンプ
(単4電池*4本駆動)








スペック

    型式      : オペアンプ多段増幅型
    再生時間    : 約20時間?
    ヘッドホン出力 : 不明 
    電源      : 単4*4本
    S/N比      : 100dB程度
    質量      : 約250g(電池含む)
    出力端子    : ステレオミニジャック


評価

 オペアンプ多段型のヘッドホンアンプです。今回は自分で回路を組んで、ブレッドボード上に配線しました。

 事の発端は、共立エレショップをさまよっていたとき、これって かなり精度のいいオペアンプじゃない?と思って、OPA350PAを購入したのがきっかけでした。結局このオペアンプは最大負荷電圧が7V(単電源)で、 006Pの電池では動かないことが発覚。1回はそこで諦めたんですが、データシートの数値めちゃめちゃいいし、どうにかして使えないかなあと考えること 三ヶ月。遂にピンとアイディアが浮かびまして、製作と相成りました。

 そのアイディアとは、「このオペアンプだけで作ったら、1.5V電池でも動くんじゃない?」です。ここまでにいたるのはかなり紆余曲折しましたが、レイルスプリッタも 増幅回路もすべてOPA350PA系列で組むことで、大きな出力を(といってもたいしたことないですが)取りつつ、6V以下で駆動することを実現しました。

 いつものように、E4cとポータブルプレイヤーのラインアウトにあわせて、音量を調節。結果は 配線図にでも載せておきます。 コンデンサーはなるべく体積の少ないものを贅沢に使用(無駄な気もしますが)。クロスフィード機能は取り払い、電源の強化に努めました(?)。 材料はオペアンプ(非反転)+ダイヤモンドバッファ型ヘッドホンアンプ(ももじさんが指定された)と同じなので指定されたケース に素直に収まります。基板に起こせばもっと小型化が可能でしょう。

 この回路では、動くオペアンプはかなり制限されます。アルカリ電池を4本使っても6Vしかえることができません。充電池を使う場合は一本1.2vですので4本でも4.8Vしかとれませんね。 この条件で動くのは、OPA350PA、NJM4580系、AD823、OPA2134PA(アルカリ電池のみ駆動)、くらいです。充電池を使う場合も想定してあるので、OPA350PA(OPA2350PA)を選びました。 (OPA350系以外は動作確認してないのであしからず)

 材料はすべて秋月+共立エレショップから購入。もう少し、小さくて容量の大きいコンデンサがあるといいのですが。。。。

 恐らく、電池の持ちは単4電池なのでダイヤモンドバッファ型、オペアンプ多段型(18V仕様) よりも良いでしょうね。さらにこの状態で発振などもありません。ポップノイズは結構出ますが。。。。。


 さて音質の評価ですが、構成は以下の通りです。

 ・ レイルスプリッタ用OPA:OPA350PA
 ・ アンプ部用OPA    :OPA2350PA*2
 ・ コンデンサ      :MUSE KZシリーズ&ポリプロピレン&セラミック&MPF&東信工業

 まず最初に、恐らくですが、AD8065で作った多段型HPAよりもさらに大きな出力が得られる気がします。大型ヘッドホンでも十分に駆動できるようです。 あと電源がしっかりしてるためなのか分かりませんが、AD8065多段HPAよりも、音の出方がさらに地面に足がついているという感じで、安定感が違います。電源の揺らぎなどが 少ないからでしょうかね?よく分かりませんが。。。。。。

 二つ目に、このオペアンプだからなのか、コンデンサのためなのか分かりませんが、結構低音が多いです。AD8065とくらべてその音は締まっていませんが、聴くときに気になるような 感じではありません。あと高音はOPA2134のように若干金属的になるようですね。またその量は多くないようです。OPA627みたいなバランスですかね。スーパーXコートをすればさらにバランスが 良くなると思います。解像度ですが個人的には、AD797よりも若干いい気がします。AD8065多段、AD8620+A970/C2240、よりは若干おおざっぱで解像度も少ないですが、 この電圧でここまでできるとは思えないほどです。電池の入手性が良いので出番は多そうです。また音はどちらかというと太い方で、繊細に細くなる感じではありません。 BBらしい音ですね。

 このアンプは、OPA多段型HPAと同様に、奥行き感が非常に出ています。音場も広く、よく空間表現ができていると思います。 音の粒子も細部まで表現できているようです。あとAD8065多段HPAはクロスフィード機能を搭載しているため、RとLが完全に分かれていません。よーく聞いてみると 分かるのですが、ほんの少しだけ、RとLの音が交じり合ってしまいます(右だけなのに左からほのかに聞こえる)。それに対して、この配線ですと RとLのチャンネルが、物理的につながっていないので、R/Lの分離は、AD8065多段HPAよりも良いです。

 個人的には、自分で作っておきながら言うのはあれですが、改心のできです。 スーパーXコートや、コンデンサ、抵抗交換などをおこなって、さらに改良していきたいですね。

 組み立ての詳細が見たい方はこちら

7/23/06

 ちょっとだけ改善してみました(配線修正済)。電源部の一番アンプ部のオペアンプに近いコンデンサ(220uF)を松下・85℃品電解コンデンサ 25V1000uFに交換。 このコンデンサは容量の割りにかなり小さいので優秀です。素直にケースに収まりました。




 これでより低音が力強くなります。低音過多なオペアンプとは思いますが、量が増えるのではなく、質感が向上するのでいい変化かと思います。やはり電源は 重要ですね。何度も思うのですが、これ単4で動かしてるのに、006Pで動いてるやつと大差ないんですよね。とっても優秀です。。。。

 回路図はこちら





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