オペアンプ多段増幅型ヘッドホンアンプ







スペック

    型式      : オペアンプ多段増幅型
    再生時間    : 約5〜10時間(OPAによる)
    ヘッドホン出力 :  - 
    電源      : 006P*2(9V電池*2)
    S/N比      : 100dB程度
    質量      : 約250g(電池含む)
    出力端子    : ステレオミニジャック


評価

 オペアンプ多段型自作ヘッドホンアンプです。例によって例のごとく、音量が取れすぎるので入力部付近の抵抗を入れ替えました(47kΩ←→2.2kΩ)。 クロスフィード機能が使えるような配線になっておりますが、ロータリスイッチがないので、とりあえずクロスフィードオフにして聞いております。

 このヘッドホンアンプは、ももじさんのHPの掲示板でfoobarさんが公開した ブレッドボード配線図を参考にしております。これはPorta Cordaというポータブルヘッドホンアンプと配線が非常に似ているらしいそうです。私は持っていないので 断言できませんが。。。

 材料はすべて秋月+共立エレショップ から購入しました。ダイヤモンドバッファ型と同様に組み立てはほぼ一日かかりましたね。 材料は、共立エレショップで購入できる一番いいと思われる部品をチョイスしました。 ケースは適当です。おそらく、ももじさんのダイヤモンドバッファ型ヘッドホンアンプと同じ材料を使うのであれば、 同じケースでも入ると思います(責任は持ちません)。

 現在、オペアンプの構成は、アンプ部にAD8065AR*2*2、電源部にLM6171BINを使用しております。 恐らく、電池の持ちはダイヤモンドバッファ型よりも悪いでしょう。音は、かなり良いと思いますが。。。 オペアンプのみの構成なので、オペアンプの性能がそのまま、強く表れるようです。 しかも、ダイヤモンドバッファ型では動作の怪しかったAD8065ARでも問題なく(ボリュームがりがりもなく)、動作しております。逆にオペアンプ の特性がかなり強調されますので、バランスの悪いオペアンプを使うと、聞くに堪えない音質になることが考えられます。foobarさんはOPA2604AP*2で 動かしておられましたが、私はOPA2134PA*2、またはNE5532AP*2をお勧めしておきます。高価なオペアンプなら問題はないでしょう。


 さて音質の評価ですが、構成は以下の通りです。オペアンプの音の傾向は オペアンプ(非反転)+ダイヤモンドバッファ型ヘッドホンアンプの方に書いてありますので 参考にしてください。

 ・ レイルスプリッタ用OPA:LM6171BIN
 ・ アンプ部用OPA    :AD8065AR*2*2
 ・ コンデンサ      :MUSE KZシリーズ&ポリプロピレン&セラミック

 まず最初に思うことは、AD2000であろうとも、余裕でドライブできているということです。恐らく入力抵抗を変化させないのであれば 600Ωのヘッドホンでも楽々ドライブすることができそうです。オペアンプを二個使っている おかげなのか分かりませんが、かなりの出力が得られていると思います。そのおかげで、ドライバの性能をかなり高いレベルで引き出せるようです。 AD8065ARを使った場合では、AD2000の性能を如何なく発揮できている感じです。高級ヘッドホンでも十分にドライブできるでしょう。

 二つ目に、このヘッドホンアンプでは、ダイヤモンドバッファ型のものと比べて、奥行き感が非常に出ています。音場も広く、よく空間表現ができていると思います。 音の粒子も細部まで表現でき、まるでipodと接続していることを忘れてしまうほどです。改造Dr.DACもかなり音がいい部類ですが、そのアンプ部にも、引けを取らないと 思います。私のDr.DACはコンデンサ交換を行っていないのでその辺で音質差が拮抗してしまっているのかもしれません。

 この状態では、AD8065ARの性質とMUSE-KZの性質が大きく影響しているかとは思いますが、音の立ち上がりが、かなり速いように感じます。音のアタックはかなりスムーズで 鋭い感じです。それに伴って、ボーカルなどの聞こえがかなり良くなっています。逆に、サ行のかすれなどは目立ちますが、それを補って余りある感じです。 しかも、音の再現性もかなり高いので、リミックス物や打ち込み系の曲では、耳に相当悪いだろうと思われる高音の音もかなりの再現性で増幅します。この辺は逆にネックですね。 ソースを選ぶかもしれません。

 あと、今まで、AD8065ARはそれほど上までしっかり増幅できていないと思っていました。が、このHPAにおいてAD8065ARはかなり上からかなり下まで、再現性よく増幅しているようです。 これは、AD8065ARをダイヤモンドバッファ型で使用すると、トランジスタの影響が大きいため、その性能が十分に発揮できていなかったからでしょうか。

 さらに、レイルスプリッタが入ってるせいか、音がぶれないというと、表現がいまいちですが、かなり安定した音を出します。ダイヤモンドバッファ型では定位が甘い感じでしたが こちらでは、それもかなり改善されていると思いますます(トランジスタのせいかもしれませんが)。解像度も、立体感も、音場も、再現性もかなり高いレベルで達成されており、これが 自作なんだとは思えないくらいです。この構成であれば、無改造Dr.DACは足元にも及ばないでしょう。非常にお勧めです。

 最後に、悪いところですが、何故か、聞いていると、たまーに音量がちょっとだけ低くなります。レイルスプリッタのせいでしょうか。。。。。

 組み立ての詳細が見たい方はこちら

 回路図はこちら。




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