オペアンプ(非反転)+ダイヤモンドバッファ型ヘッドホンアンプ







スペック

    型式      : オペアンプ(非反転)+ダイヤモンドバッファ
    再生時間    : 約10〜15時間(OPAによる)
    ヘッドホン出力 :  - 
    電源      : 006P*2(9V電池*2)
    S/N比      : 100dB程度
    質量      : 約200g(電池含む)
    出力端子    : ステレオミニジャック


評価

 オペアンプでの非反転増幅回路にダイヤモンドバッファを付けたヘッドホンアンプです。ももじさんのHP で公開されている物を参考にしました。 私の環境では取れる音量が大きかったので入力周りの定数を変更しております(可変抵抗を1kに)。材料はすべて秋月+共立エレショップ から購入しました。組み立てはほぼ一日かかりましたね。最初はあまり期待していなかったのですが意外と音は良いようです。 ももじさんの回路そのままでも、無改造Dr.Head HiFiより音は良いだろうと思います。無改造Dr.DACのアナログ入力程度に感じました。

 さて他のページに書きますが、Dr.DACの改造のため、結構なお金をはたいて高級オーディオ系(オカルト系の)材料も購入しました。 それを使ってちょっとだけ改造してみました。内容は

 ・ ブレットボード以外の接点をゴールドニッカスにて半田付け
 ・ ぬれそうな所にSPI-015Sを塗布
 ・ オペアンプをソケットに半田付け&スーパーX(接着剤)コート&SPI-015S塗布
 ・ ブレットボードと抵抗、コンデンサ、オペアンプの接点にナノカーボンPCを塗布
 ・ 電池は同社、同品を同時に使う(電圧が違うこともあるため)

 SPI-015Sを塗ると写真からも分かるようにオペアンプが真っ黒になるので中のオペアンプが認識できなくなってしまいます。 あと理由は分かりませんがスーパーX(接着剤)コート&SPI-015S塗布(制振&電磁波シールドのつもり)の効果が大いに現れるチップとそうでないチップがあるようです。 また、スーパーXコートとSPI-015Sは相性が悪い場合もありますので塗りつける際は音を聞きながら好みになる様に調製した方がよさそうです。

 それで、これらをすると、だいぶ音が変化(必ず向上するとは限りません)します。また、もともと電池駆動なのでノイズはあまり聞こえないと思います。 プラスチックケースですから電線からのノイズは必ず拾っているでしょうね。家庭電化製品からなどもノイズは出てるので、 長期間使う場合や持ち運ぶ場合、ノイズが気になる場合は基板で組んでアルミケースに入れることをお勧めします。 あと可変抵抗が切り替わる前後にノイズが発生する場合がありました。可変抵抗が悪いのか回路が悪いのか。。。。 考えられるのは発振と、可変抵抗の質でしょうか。。。。(他にも考えられる原因は山ほどあると思います)

 オペアンプの比較はこちら


総評

 いじってみてからはお気に入りになってしまいました。意外と大きさが小さく電池の持ちも良いと思います。Dr.DACを持ち歩くのを考えれば ずっとコンパクトです。NE20との相性もよくノイズなどもほぼ分からないレベルです。ちゃんとしたDACを噛んでいないのでDr.DACにはかなわない所もありますが、 かなりいい線いっていると思います。これを機にipodでも買ってラインアウトからと画策している途中です。ipod+HPA+E4cでかなりコンパクトにまとまる予感がします。


使用上の注意

 ・ このHPAは、電源ON-OFF時に大きなオフセットが出るので(私は)イヤホンをつけたまま電源をON-OFFしないことをお勧めします。最悪ヘッドホン、イヤホンが壊れる可能性もあります。

 ・ 同様に、オペアンプ交換やトランジスタ交換などを行った際には、安いイヤホンで動作を確かめましょう。

 ・ 電池がなくなってくると、電圧が足りない場合は音にノイズがざらざらと入り、電流が足りないとプッツンとオペアンプの動作が止まるようです。 プッツンと切れる時は結構ポップノイズ見たいな物が出ますのでイヤホンにダメージを与えそうです。気をつけてください。

 ・ 電池はアルカリの方が持ちますが、マンガンでも問題なさそうです。大電流をと考えればアルカリの方がいいですね。



追記。

 E4cで使用するときはあまりに音量が取れるのでゲインをいじってみました。 R6=R7=4.7kΩでゲイン2にしてみました。が、AD8065の場合ゲインを2以下にすると動作が怪しく なってしまいました。2134とかは平気でした。AD8065は発振しやすいらしいですね。あきらめるしかないようです。

 E4cで駆動する場合、ゲインを2、入力抵抗を10〜20k程、可変抵抗を1kにするとちょうどいいようです(ラインアウトからの場合)。


2/21/06



 OPA多段型HPAの材料注文の際に、同時に注文したコンデンサで、電源周りを変えてみました。変化は少ないものでした(私にはあんまり分からなかったかも?)が、 立体感や雰囲気が若干改善した気がします。いろいろやってみていますが、トランジスタが悪さをしているのではないかと思いますね(回路定数含めて)。 注文したトランジスタももうすぐ届きますし、それも試してみたいと思います。




 続いて、掲示板にて質問した、ローパスフィルター(位相補正用コンデンサ)をつけてみました。ポリプロピレンコンデンサ(220pF)をR7と並列につなぐだけです。 写真では茶色く写ってるやつがフィルムコンデンサーです。で、最初はR7の穴に直接挿していたんですがなんか気になったので、ボードの上に。 音の変化はまぁまぁありました。効果は、クリアになり、奥行感というか空気感が良くなった感じです。さらに定位もしっかりして、結構いいかもです。 これはローパスフィルターで高周波成分が減って干渉が少なくなったからでしょうか(よく分かりませんが)。私は4.7kΩで220pFとしたので、150kHzくらい以上の信号は減衰するはずです。 でも減衰はそれの前から始まっているので、もしかしたら100kHzくらいから減衰してるかも?あまり容量大きくするのはいけないのかもしれませんね。。。。。 作例を見てますと2〜50pF位が多いようです。


2/24/06






 そんで肝となる、トランジスタ交換です。トランジスタはA1016/C2362、A970/C2240、A992/C1845を購入しました(若松から)。 聴き比べを行ったときのオペアンプは、いろいろ塗りたくったOPA2134PAです。あと、A970/C2240、A992/C1845 はコンプリを買い、A1016/C2362は、ばらで買いました。

 トランジスタの比較もこちら


 それで、結局A970/C2240で落ち着きました。ただあっさり解像度高く鳴らすと思っていましたが、エージングでだんだん厚みも出てきたようです。これを挿せば オペアンプのグレードが一個上がった感じになります。あと、パワートランジスタとかには手を出さないとことにしておきます。

3/23/06
 オペアンプの比較にAD797BRZ、AD843KNZ、AD8610BRZを追加しました。もろもろの試行錯誤を繰り返した結果、AD8610*2+A970/C2240(ローパスなし)で落ち着いています。 この状態でもOPA多段型HPA(AD8065AR*4)にはかなわないようですね。無改造Dr.DACには余裕で勝ててると思いますが。。。。

3/28/06
 さらにAD8610BRZにスーパーXで制振&電磁波コートを行いました。これでまた音が変わります。 あと、627BPを試すというのも残っていますが627BPは音のバランスがそこまでいい方ではないのでAD8610BRZの方が私的には好みでしょうね。 (しっかり対策すれば627BPの方がいいとは思いますが。。。)この状態になって初めてオペアンプ多段型と同等なレベルになったと思います。

オペアンプ多段型(AD8065AR)≧ダイヤモンドバッファ型(AD8610BRZ+A970/C2240)

 位相補正用コンデンサをつけられないかと色々試してみましたが、どうしてもローパスをつけるとAD8610は発振するみたいなのでこれ以上はいじらないことにします。 これでも多段型のほうが若干いいのですがそれは音色の違い程度ですね。具体的に言いますと、音が細いせいなのか多段型のほうが奥行感というかダイナミックレンジが高く聞こえます。 逆にダイヤモンドバッファは奥行感は多段型ほどではありませんが艶などはこちらの方が出ていると思います。聞き比べはAD2000とE4cで行いました。


7/23/06

 更なる改善に着手いたしました。まず、オペアンプの使用状況の関係で、アンプ部をAD843(スーパーXコート済)に交換。それに伴って、LM6171をレイルスプリッタ用オペアンプとして導入。 AD843のアウトと電源部を接続し、A級動作に変更。さらに、オペアンプの電源を取る足の近くに0.1uF(積層フィルム)のパスコンを配置。ローパスフィルターとして10pFのセラミックコンデンサを 追加。最後に写真ではまだ行っていませんが、電源部の一番大きいコンデンサを松下・85℃品電解コンデンサ 25V1000uFに交換予定です。




 AD843はどうしても緩い感じを受けるオペアンプですがA970/C2240との相性はいいらしく、かなりニュートラルに鳴ってくれています。どうしても、電源部のコンデンサが220uFということで 低音は力がないようですが、コンデンサ交換でそれも良くなるでしょう。解像度も上がったようです。一番変わったのは電源部の変更だったと思います。やはり抵抗分圧のみでは、のっぺりと平坦な 印象を与えてくれますが、電源をきちんと分圧し、電流を稼げばそれなりになってくれました。オペアンプを交換するだけが大きな性能向上を見込める手段と思っておりましたが、それ以外にも 改善方法は山ほどあるようですね。消費電流が劇的に増えたはずなので、電池のもちはさらにやばく。。。。あとA級動作にしておりますが今のところDC漏れなどもないようです。

 ご要望であれば、変更後の配線図を公開します。掲示板に書き込みください。あまり良くない配線ですが。。。。



7/29/06

 さらに改善。220uFのコンデンサを松下・85℃品電解コンデンサ 25V1000uFに交換。0.1uF(積層フィルム)のパスコンを0.1+2.2uF(タンタルコンデンサ)に交換。 結果は音がより自然な感じになったと思います。AD843は低音が緩く、締まっていないと感じていましたが、コンデンサを1000uFにすると、なんとも自然に低音が鳴りました。 単にコンデンサの容量が足りなかっただけだったのかと。。。。。。普通に使う時点で1000uF以上必要って、どういう設計なんでしょうね。。。。 まぁ消費電流とかみても据え置き専用設計なんですかね。。。。これも違う意味で使いにくいオペアンプかも知れません。 逆に言うとしっかり組んでやれば(部品選定をしっかりやれば)もっとよく鳴ってくれるのかもしれません。よく分からんですね。まぁこのケースだとこれ以上容量大きいコンデンサ 入らないわけですが。。。。。。。。






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