ユニバーサル基板実装版(AD8610*4)







スペック

    型式      : オペアンプ多段増幅型(AD8610*4)
    再生時間    : 約15時間
    ヘッドホン出力 :  - 
    電源      : 006P*2(9V電池*2)
    S/N比      : 100dB程度
    質量      : 約250g(電池含む)
    出力端子    : ステレオミニジャック


評価

 これまで作ってきたのと大体おんなじなヘッドホンアンプです。実装に当たってsijosaeさんの実装図?(配線図)を参考にしました。

主な材料は、

 ・ 基板           ICB-288 二枚   (サンハヤト)
 ・ ハンダ          HS-372       (ホーザン)
 ・ ICソケット        丸ピン 必要数   (3M)
 ・ 二連可変抵抗       2CP-601     (東京光音)
 ・ アクリル板        2mm厚or3mm厚    (住友化学)
 ・ スポンジ         傷防止用      (不明)
 ・ 各種コンデンサおよび抵抗
 ・ その他(ネジ、ナット、トグルスイッチ、PC関連部品など)



 ばらした全体図が上記になります。電源部とアンプ部を完全に分離できるような作りにしました。これで電源部を取り替えることができます。

 まずはアンプ部



 二連可変抵抗はケチらずに東京光音で一番小さい物を使いました。一番幅が広いところで1.65cmくらいでしょうか。ステレオミニジャックと一緒に基板に直付けしてあります。 アンプ部はsijosaeさんの実装図を参考にして、オペアンプの近くにパスコンを配置できるようにしました。さらに、電源部とオペアンプのアウトをつないでA級動作にしてあります。 アンプ部の抵抗やコンデンサは将来(オーディオ用などの品と)交換することも考えてICソケットに挿しました。まぁ、接点が増えるのでよろしくないのですが一気にオーディオ用部品そろえるほど お金もないので。。。。出力の制限抵抗は負帰還ループの中に配置してあります。パスコン配置などの影響でグラウンドの配線がちょっと長いので良くないのかもしれませんね。 ループしないようにはしてありますが。。。。

 続いて電源部



 電源部はTLE2426CPで分圧しています。電源のソースは006P*2です。コンデンサは

 ・ 松下・85℃品電解コンデンサ 25V1000uF 4個
 ・ OSコン 20V22uF 2個
 ・ フィルム 50V0.1uF MPF 2個
 ・ フィルム 50V1uF MPF 1個
 ・ 東信・105℃品電解コンデンサ 25V220uF 1個

を使いました。配線は、アンプ部ができてからコンデンサの配置を決めて配線したのでとてもよろしくないですね(交差してますし。。。)。 1uFのフィルムはTLE2426のノイズリダクションのピンとV-との間に入れました。 TLE2426CPの配線は間違っていないと思うのですが、それでもきちんと電圧をぴったり半分にはしてくれないようです。 片側が必ず0.05〜0.1Vほど高いです。理由は分かりません。ノイズリダクションピンと接続していますが、接続の効果は 体感できません。むしろ、ノイズ自体がほとんどないので分からないだけだと思いますが。。。。

 最初は、MUZE KZのコンデンサで組み上げてみたのですが(分圧はトランジスタにて行いました)、コンデンサの大きさが かなりあるので小さくまとめることが難しく、箱まで作っては見たものの、その大きさに断念しました。 なるべく小さく部品点数を少なくと思いTLE2426を使ったのですが、結果はあまりよろしくないようです。 部品と部品との距離がかなり短いのでノイズで有利かとも思いましたが大して効果はありませんでした。

 出力のオフセットはブレッドボートと同様に0.2mV以下です。可変抵抗のギャングエラーも少なく良好であります。音はブレッドボートで組んだやつと大して変わりませんね。 配線も部品もほとんど一緒ですし。使ってるうちに、聞こえが良くなったような感じがしましたがエージング効果などもあるのでしょうか。ハンダが慣れるまでとか? まぁこれもよく分かりませんが。。。。電池のもちはほとんど同じですね。変化無しというところです。できれば電源部の見直しがしたいですね。でもコンデンサの大きさとか 実際に目で見てみないとなんとも分からないんですよね。大きさが表記されていたりしますが細部まで分からないので結局現品であわせた方が正確ですし。この辺が電気街から遠いものの 宿命です。。。。

 最後にケース



 私の近くにはどうしてもアルミケースが売ってないので、アクリルで作ってみました。固いので切るのにも一苦労です。穴を開けてネジ?(ボルト)を入れてナットで固定してあります。 穴はきちんとおもった通りあいてくれないので穴をあけてから寸法を決めた方がいいみたいです。あとアクリルのかどは売られている製品のような精度で作れないので角をやすりで削っても 動かした机の上は傷だらけになります。なのでスポンジでごまかすことにしました。プレイヤーに傷がつくのも嫌ですしね。なんか見た目が太巻きですね。。。。。。安易ですが。。。。。

 実装でブレッドボードよりは信頼性があがったと思います(思いたい)。持ち運ぶ時の安心感が違いますねw。 あとブレッドボードですと時間と共に部品の足が酸化するので良くないのかもしれません。ハンダでつけてしまえば心配ないでしょうし。 といっても、アンプ部はICソケットにささってるわけですが。。。。。。

追記

10/03/06

 学会の帰りに寄ったアキバで買って来た部品を材料に電源部、アンプ部を改良してみました。

 まずは電源部。



 使った部品は以下の通り。

 ・ ニチコン(MUSE FX)85℃品電解コンデンサ 16V1000uF 4個
 ・ ニチコン(MUSE FX)85℃品電解コンデンサ 25V470uF 1個
 ・ OSコン 20V100uF 2個
 ・ 積層セラコン 50V0.1uF  2個
 ・ トランジスタ 2SA1015/2SC1815 各2個
 ・ 抵抗、LEDなど

 このMUSE FXっていうコンデンサはオーディオ用なのにもかかわらず非常に小さいため、非常に使いやすいです。 KZに比べれば周波数特性は悪いんでしょうが、松下のコンデンサよりは好みの音がします。特性もいいんでしょうね。 緑の色もグッドです。このFXですが環境対応によって生産中止に追い込まれたみたいです。FG、FWシリーズに置き換わっていくようですね。 0.1uFのコンデンサは大きさの関係でフィルムから積セラにしました。OSコンは22→100uFに増量してみました。

 分圧回路はカレントミラーみたいな感じで分圧するディスクリートレイルスプリッタです。 抵抗は47kのものを挟みましたが、私の環境では47kの抵抗を挟んでもコレクタ-エミッタ間の電流が100mAほど流れてしまっているので、恐らく定格オーバーです。 実際駆動中は、電源が電池なので常に9V*2=18V(トランジスタには9V)がかかっているわけではなく、電圧は若干低くなってるみたいです(駆動中に電圧を測ってみました)。 なので定格はオーバーしていますが、電池がなくなる直前には定格以下になっていると思います。発熱もそれほどなく、不安定なそぶりも見えないので問題ないとは思いますが 良い子はまねしないでね。(もうちょっと流せるトランジスタを使った方が良いですね)

 実際は、2SC1815のコレクタ損失は400mWだから10V前後で使う場合は40mAしか流せないことになりますね。電圧を下げれば150mAまでは流せるようです。 最初はこの条件で約50mA流れるように組んだのですが、聞こえの音が悪かったので、もうちょっと流そうということで100mA程度流しております。恐らく、 オペアンプの消費電流のほかにA級動作(にすること)で消費する電流もあるはずですから、TLE2426CP並みの40mA程度では十分ではないのでしょう。 前に電源部に使ってたLM6171も100mA程度流せてあの音質だったので100mA前後必要なのでしょうね。ですがあまり流すと発熱と電池のもちが犠牲になるので あまり流しすぎない方がいいと思います。


 続いてアンプ部



 アンプ部は抵抗を変えてみました。アキバを色々見て回ったのですが、 オーディオ用の抵抗は大きさが大きい物が多く、このアンプには入らないものがほとんどでした。 その中でも比較的小さかったニッコーオムの抵抗を使って見ました。それでも、この抵抗は背が高いので場所によっては 倒したり傾けたりしないとはいりませんでした。しっかり立ってた方がいいのですが。。。。しょうがないですね。

 それで改善の効果はといいますと。。。。。。。。まず、抵抗を変えたことで音の奥行感が増した感じになりました。秋月のカーボン抵抗の時は 音は綺麗に聞こえるんですが、雲がかかったというか、奥行間がないというか、S/Nが悪いというか、そんな音でした。ニッコーオムに変えると曇りが取れ 奥行間が増したんですが、音の色付けが少ないせいか地味な音になりました。癖が少ないんでしょうね。それでも音はどちらかというと金属被膜抵抗側な感じです。 電源部の変更では、音の周波数特性が改善したみたいで、よりフラットになりました。音の立ち上がりもすばやくなって、低音の立ち上がり、音圧も良くなったと思います。 電流を増やす前は音が詰まっている印象でしたが、増やしてみるとより自然に出るようになったと思います。電池の減りはちょっと早くなりましたね。音場感、奥行感もよくなったと思います。


 最後に見た目。



 ボリュームのシャフトが丸見えなのと、太巻きな感じなのはあんまり見栄えが良くないので、つまみをつけて、カバーを変えてみました。 カバーは今流行の滑らないシートとマジックテープで作ってみました。太巻きよりは小さいかな;。。。。これでだいぶ使い勝手も、気になる点も 改善したのでとりあえずしばらくニヤニヤしながら使ってみますw。

10/17/06

 ニヤニヤしながらしばらく使っていたんですが、電源を入れてから時間がたつと、次第に分圧のバランスが崩れてくることに気づきました。ドンドン片側が小さくなっていくようです。 これでは、何かと考え物なので、トランジスタを使っていた分圧回路をオペアンプでの分圧回路に変更しました。これで時間がたっても、電位が揺らぐこともなくなりました。ですが、何故か 常に片側が0.12Vほど高いようです。理由は不明です。配線ミスでもしてるのかな。。。。。。。。

 それで使ったオペアンプはLM6171BINです。ボルテージフォロアでつないで、出力に50Ωの抵抗を 挟んでやるといいようです。発振防止にオペアンプの近くに0.1uF(積セラ)と4.7uF(タンタル)を配置しております。本当ですとデータシートどうりに0.01uFと2.2uFのコンデンサをつけたほうが良いでしょう。 LM6171は最大130mAほど電流を取り出せるみたいなので、恐らく100mA程度は流れているでしょう。オペアンプの消費電力もありますから、さらに電池は持たなくなったでしょうね。 音も若干変わりましたが傾向は一緒です。こっちの方が若干良いでしょうかね。。。。プラシーボかもしれません。

 恐らく、これで安定動作するようですし、これ以上電流上げると電池がやばいみたいですし、この辺でひと段落でしょうか。0.12Vの謎は気にかかりますが現時点では原因不明です。 最後に現状の回路図を載せておきます。参考にでもなれば。。。。。。。。





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