オペアンプとデータシート






比較

 高性能オペアンプの性能(OPA627はBPの値)

まず消費電力(最大)

   AD8610=4mA/amp
   AD845=12mA/amp
   OPA627=7.5mA/amp
   LM4562=6mA/amp

となっております。AD845は非常に高い値ですね。


次にスルーレート。

   AD8610=60V/μs
   AD845=100V/μs
   OPA627=55V/μs
   LM4562=20V/μs

AD845はかなり速いですね。逆にLM4562は若干遅いことになります。
(測定条件が違うので正確に比べたことにはなりません)


続いて、CMRR。

   AD8610=110dB
   AD845=110dB
   OPA627=116dB
   LM4562=120dB

値が高いほうが理想オペアンプに近いことになります。


 これらから、LM4562は若干遅く利得が良いことがわかり、 AD845はかなり速い事がわかります。 AD8610とOPA627は速さ、利得がほぼ同じです。 厳密に言えば、AD8610とOPA627ではAD8610の方が 若干周波数特性が悪いようです。

 データシートは音とは関係ない!と思う方も いると思いますが、あながち全然関係ないわけではありません。 実際AD845はかなり立ち上がりの速い音ですし、 LM4562はOPA2134のように少しもたついた感じ(音の応答性が悪い感じ)がします。 さらに、奥行き感や解像度に影響する利得も高い方が透明感が出ます。 逆に、AD8610とOPA627は性能がほとんど同じなのに だいぶ音が違いますね。不思議なものです。

 さらに、自作するときには使いやすさも重要です。 AD8610なんかは、負帰還の量を変えても信号が反転することがなく、 ユニティゲインで定数を広く取れます (原理上位相補間用のコンデンサが必要ありません)。 また、AD845(12Mまで)、OPA627、LM4562も ユニティゲインで安定です(データシート上)。

 さらにバッファをつけない場合(オペアンプで直接ヘッドホンを駆動する場合)は負荷に強い必要があります。 LM4562は600Ωから駆動できると書いてありますね。 OPA627は600Ω駆動が、AD845は500Ω駆動のデータが一部データシートに載っています。 AD8610に載っているのは一番小さくて1kΩですね。

 ポータブルで使うには消費電力も重要です。 AD8610は性能がほとんど同じ他の三者と比べても低いですね。 バッファをつけるのであれば、良い選択となるでしょう。 逆に直接駆動ならLM4562の方がよさそうですね。 AD845を使うときは消費が激しいので少し考えないとだめなようです。



 さておき、最後につかってみた感想ですが、 データシートからわからない部分ですと、 LM4562は低音、高音とも塊となって出てくるようで ねちっこい表現であること、とか OPA627は揺らぎがあり、音楽的な表現であること、とか AD8610はモニター的な音である、とか AD845はAD8610をさらに速くした音で、高音がきらびやかなこと、とか がありました。

以下AIRさんのコメント

LM4562=キック、バスドラムの音が重く、乾いた感じというより 湿った感じのドラム音に聞こえる。

OPA627=スピード感はそんなに無いが、ボーカルの口の動きや ライブ物のスタジオ、コンサートホールのリアルな空気感などが 恐ろしいまでに良く伝わってくる。音の揺らぎは僕がOPA627を説明する時に使う、 マイクに向かう、微妙なボーカルの口の動かし方までもが分かる感じ。

スピード感=耳に音が到達するまでのスピードが遅く感じる事、 BPMが130オーバーのやや早めの曲を聴くとスピード感が無いオペアンプは 堅著にトロく感じる事、逆にBPMが遅めの曲は早いオペアンプじゃなくても じっくり落ちついて聴ける。特に女性ボーカルのしっとり歌う感じの曲と 相性が良い感じ。



 個人的(YOU的)な感想ですとLM4562はちょっと遅すぎだと思います。 似たようなオペアンプにOPA2228がありますが、 これは奥行きが非常に出ますが、ドンくさい音です。 ちなみにOPA2228はCMRRが138dBあるとか、驚異的ですね・・・

 まぁ、いくらデータシートが参考になるといっても、 最後は音を聞いてみないとなんともいえないので、 気になる人は、試してみてはいかがでしょうか?w



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