Super.fi 5Pro







スペック

    型式       : カナル型イヤホン
    インピーダンス : 21Ω
    出力音圧レベル : 119dB/mW
    周波数特性   : 20-16,000 Hz
    質量      : 17g(コード含む)


評価

 これはULTIMATE EARS ( アルティメイトイヤーズ )という会社の、カナル型イヤホン。正式名称はSuper.fi 5Proで、色は限定のCherry Redみたいです。なんか今は名前が違うみたいですが・・・ このモデルもかなり感度が高いですね。

 まず、イヤーチップは、シングルフランジタイプがS、M、L、の三種類、ダブルフランジタイプが一種類、スポンジタイプが一種類付いてきます。 フランジタイプのイヤーチップは非常にやわらかく、つけやすいです。サイズも三種類あるのでフィットするチップが必ずあるでしょう。ソニー製の イヤーチップに付け心地が非常に似ています。クリーニングツールがついてはいますが、フィルターは交換できないようですね。 若干ここは残念なところです。3stとの違いは、ダブルフランジが付くことくらいでしょうか。その他にも、変換プラグ、抵抗付きプラグが付いてくるようです。

 コードは3stと同じくイヤホン直前で着脱が可能で、断線した時なども少ない資産でリペアできそうです。ケーブルを変えることで 音質も変えられるとは思いますが、恐らく専用設計なので、同社のコードを買うしかないでしょうか。。。。ケーブルは非常に細いですが被覆がしっかりしているので 断線の危険はそれほどなさそうです。長さはおよそ1.5m?他のカナル型イヤホンと同様な長さです。

 イヤホンから延びるケーブルの途中までには、3stと同じように針金がケーブルの中に入っていて、これが可変で自分の耳にあわせて 形を変え、耳の後ろに回すなどの使い方ができます。3stの場合はあからさまに針金がケーブルとは別でしたが、5Proはその針金がかなり細く、ケーブルと一体成形しているようです。 使用感は3stと同じく難しくなく、付け心地もいいほうでしょう。違いといえば、ユニットの大きさくらいでしょうか。こちらはデュアルドライバなので若干でかい感じがします。 そのため、耳の形によってはぶつかったりうまくはまらないこともあるようです。また、音の出口になるプラスチックの管はE4c、ER系などと比べて太いので、そこまで奥までユニットを ねじ込むことは出来ません。

 遮音性についてですが、ソニーのイヤーチップにもいえるように、そこまでよい訳ではないようです。E4c、ER-6に比べれば外の音は聞こえますね。 このくらいの方が、危なくなくていいのかもしれません。スポンジタイプなら、もう少し遮音性が上がるでしょう。またダブルフランジにすると付け心地、遮音性がシングルタイプより若干アップします。

 音の評価ですが、まず、基本的なことから述べましょう。一つ目は非常に感度が高く、低インピーダンスであるということ。E4cよりも高感度、低インピーダンスで、自作をする身にとっては かなりの強敵です。インピーダンスが低いためノイズを拾いやすく、アンプ側にもかなりのドライブ力を必要とするので、ちゃちな設計では発振やノイズなど良くないことばかりが目立ちます。 製品で売られているようなアンプは、様々な発振防止のための機構が盛り込まれており、16Ω程度でも鳴るように出来ているので発振などを体験することはないでしょうが、 音がなっていたとしても、きちんと鳴らしきれているのかと問われれば、かなり怪しいでしょうね。

 続いて二つ目は、デュアルドライバであることです。このため、再現可能な周波数領域はE4c、ER-4Sなどと比べるとかなり広いものとなっております。シングルドライバとの 一番の違いは高域の出方ですね。全体的に見ても高域が強めに出ており、さらに高域の伸びも再現でき、周波数だけで見れば、ヘッドホンと互角です。 さらに、低域も大目なので傾向としてはドンシャリですね。また、インピーダンスが低いので、ドライブ力のないアンプできくと低域がかなり膨らんでしまう上に、高域もつぶれてしまいます。 そのため、プアな環境では、あまりいい音を出してくれるとはいえません。普通にデジタルオーディオプレイヤーで聞く場合や、アンプを持たない場合は、 10ProやE4cを買ったほうが幸せになれると思います。

 三つ目は、デュアルドライバから来る不自然さです。ヘッドホンやイヤホンの多くはドライバが1つなので全体を通したバランスは比較的崩れにくい物となっていますが、 デュアル、トリプルとドライバが増えることで、クロスオーバー領域ができ、周波数特性的な凹みや、かぶる帯域での不自然さなどが気になってきます。何よりも、耳に近い位置で なるので、繊細なことも分かってしまいますね。それで、この5Proとなるわけですが、ユニットが二つで、それぞれ、高域、低域と思い切って分離させ、さらに音をドンシャリにすることで クロスオーバー、ドライバが二つある欠点をうまく隠せていると思います。POPSやROCKや打ち込み系のものをきく限りでは不満はありませんね。 逆にクラシックなど繊細な音源は若干不自然に聴こえがちです。音が基本的に太いことも相性を悪くしていますね。

 全体的な解像度などは、2-3万前後のIEMと大して違いませんが、この製品はドライバが二つあるということで1つ頭抜きん出た感じがします。 さらにUE独特の広い音場があり曲によっては、無駄に広く不自然なこともありますw。これも慣れれば武器にもなりえるんですけどねw。 音の粒も細かい感じではなく、先ほど述べたように音が太い部類なので温かみがあるような機材とつなぐと相性は悪いでしょうね。

 アンプを作ってる身として一番驚いたのは、きちんとドライブできるようにアンプを調整してやれば、低域は膨らまず、広い音場ともあいまって かなりの性能を発揮するということです。もともとプロ用だからか分かりませんが、非常に扱いにくい品ですね。ER-4Sなども扱いにくいIEMですが、 触った感じだとER-4S以上の駄々っ子だと思います。きちんと鳴らせたときの感動はかなりの物でしたね。逆に言うと、鳴らせていない状態では、ん? 今ひつだなっていう感じですw。





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