PortaPro







スペック

    型式       : ダイナミック型・オープン
    インピーダンス : 60Ω
    出力音圧レベル : 101dB/mW
    周波数特性   : 15 〜25,000Hz
    質量      : 60g(コード除く)


評価

 KOSSの耳乗せ型ダイナミックヘッドホンです。同社の中〜低価格でよく見られる低音過多なモデルです。 ちなみに、耳乗せ型は低音が壮大であることが多く、この機種もその例に漏れません。

 まずバランス。バランスは低音過多のドンシャリです。低音の量はかなり多く、ここまで出るのはそうそうないでしょう(いい意味で)。 それでいて、高音が埋もれるようなこともなく、しっかり鳴っています。プラグとは違い結構音作りがなされているようです。低音はユニットの大きさのせいか、 あまり締まった感じではありませんが、それでも開放型ということもあって篭る感じはあまりしません。程よいふくらみと緩さ、開放型の特徴を大いに生かした 独特の抜けなど非常に魅力的な低音を出す製品だと思います。

 一方中音域は低音に邪魔されることが多く、ソースによっては聞こえが悪いこともあります。 しかし、打ち込み系の音やROCK、POPSでは、低音が広帯域に及ぶようなソースが少ないため、聞こえが邪魔されることがなく相性はいいと思います。 ROCKなどでは、低域の音の変化を分かりやすく感じることができ、ベースやドラムが楽しく聴けます。そうでない場合においても、中音域が主張しないような 音作りではないため、それなりに前面に出てきます。干渉こそあれど中音域が弱いわけではありません。干渉するソースは非常に残念ですが。。。。

 最後に高音ですが、高音は低音に負けずにしっかり鳴っている印象です。その刺激は程よい物で、強くもなく弱くもなくといったところで、 耳に付くこともありません。さらに退屈になるほど刺激がないわけでもなく、いいバランスだと思います。その量も低音を邪魔しないようなぎりぎりの量で、 オーテク製品のように高音が支配的なわけではなく、あくまで低音をベースとした音作りです。

 音場ですが、低音が過多な事、耳乗せ型ということもあってあまり広い感じはしません。低音が支配的なため高音の華やかさからくる音の広がりや 透明感などはあまり出ません。逆にビートが利いてる音なので、低音が大きく広がる感じはします。原音忠実性などもよいわけがなく、その辺は吹っ切って 楽しく、ノリ良く聞かせることに趣を置いているようです。そのため、同価格帯のものと比べると解像度が低い感じがします。 音の数は出ているのですがどうしてもそのバランスから体感しにくいですね。力で押す感じでいえばHD25などと傾向は似ているでしょうか。 あえて言うのであればHD25よりは少し繊細な音なきがします。全体的な出来はかなり良く、コストパフォーマンスも高いと思います。 音漏れはしますが、持ち運ぶような小さなヘッドホンの中(PX200、K24Pなどのグループ)では非常に優秀な部類だと思います。

 次に作りですが、この製品はとても軽く、吹けば飛んで行きそうなユニットです。スポンジが付いているのですが、これが加水分解を受けやすく結構なスピードでぼろぼろになってしまうようです。 使い倒す前に最低1回はスポンジ交換を行う必要がありそうですね。値段がけっこうするせいかラインはしっかりした物で断線の危険性は少なそうです。開放型なので電車などでは無理ですが、 外の音が聞こえるので歩きながらなど、外での用途も考えられそうです。あと、インピーダンスが少し高いですが、このくらいのほうが機器のノイズを拾わないので良いのかもしれません。 それでも、省エネしまくっているポータブル機器だと厳しいでしょうか。。。。。。。私の使った印象では、音量は若干取れにくいとは思いますが、鳴らしきるのにそこまでパワーは必要としないようです。 E4cのほうがよっぽど鳴ってくれません。。。。。。。非常に軽く、扱いやすく、折り畳みができますが、本体自体はプラスチックでそこまで強度が強くないので乱暴に扱わない方がいいようです。 ハウジングと本体なんかプラスチックのちっちゃいはめ込みだけで固定してますし。。。。。

 結局、K24Pにしろ、PortaProにしろ、トータルバランスがいい機種は出番多いですよね。そうやってると使わないヘッドホンが出てくるわけですが。。。。




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