MZ-RH1







スペック

    型式       : Hi-MD Walkman
    再生時間    : 10.0〜15.5時間(内臓充電池PCM〜Hi-SP時)
    ヘッドホン出力 : 5+5mW(16Ω時)
    リモコン    : 漢字&CD-TEXT対応スティックコントローラー
    質量      : 106g(電池含む)
    出力端子    : ラインアウト、ヘッドホンジャック兼用(一個のみ)
    入力端子    : ラインイン-光デジタル端子(兼用)、マイク端子


評価

 満を持しての登場となるHi-MD Walkman。かなり力の入った製品でしょう。その分値段も力が入ってるわけで。。。購入はほぼ定価でした。


ソニックステージ

 まず、ソニックステージ。ここ最近、ソニーは、経営方針を変えているらしく次々と昔のソニーでは考えられないようなことをしています。 AAC、MP3への対応、そして、デッキ録音のMDのデータ吸出し可。転送フリーなどです。これからもドンドン、ソニックステージは進化していくでしょう。某りんご社の アイチューンとは全く反対方向への進化ですね。残念なことに、動作が遅いという欠点はありますが、使い勝手、やれることを見てもかなり優秀なソフトでしょう。


長所と短所

 MZ−RH1ですが、色々書くことがあり過ぎるので、列挙してみましょう。まずは長所。

  ・ ラインアウト付き
  ・ リニアPCM(WAVE)再生可能
  ・ ATRAC3plus-352kbps再生可能
  ・ MDからデータ吸い上げ可能
  ・ USBバスパワー充電可能
  ・ ストレージ利用可能
  ・ 電池交換可能

 基本的に、録音することがないので再生機器側の利点を挙げてみました。一番大きいのは、PCM(WAVE)が扱えて、ラインアウトがあってCDPよりも小さいことですね。 ラインアウトがなかったらこの製品は買わなかったと思います。ずばり、私にとってはどんぴしゃでした。さらに、ATRAC3plus-352kbpsも再生可能ということでMP3-320kbps よりも、高音質な圧縮ファイルが再生できることになります(絶対いいとは言い切れませんが)。この程度あったら、機器にもよりますがわざわざ容量の多いWAVEファイルでなくても 十分な音質を得られるかもしれません(私はまだ試していませんが)。使用している電池もリチウムイオンで、取り外し可能なのでこの辺も良心的です。上には書きませんでしたが 操作をするインターフェイスもかなり考えられて作られていますね。リモコン使っても、使わなくても、スムーズに操作可能です。あと、録音再生にしては小さいですね。ポータブル するときこれはとっても重要です。

 続いて短所。

  ・ 再生時間(PCMで最長10時間)
  ・ ディスクの容量(最大1GB)
  ・ 持ち歩くディスクのかさ高さ
  ・ リモコンをつなぐと音が劣化する
  ・ 値段w
  ・ ソニックステージが重い

 こんなもんですかね。再生時間は、交換電池でも購入して伸ばすほかなさそうです。単三電池型の補助電池器具などもついていません。次に持ち歩くディスクがかさばるということ。 ナノは4GBのものを使用してるわけですが、これと同等の容量(実際はアップルロスレスで詰め込んでいるのでそれ以上ですが)を稼ぐにはディスク4枚(一枚RH1に入れたとしても三枚) 必要です。三枚はちょっとかさばりますね。逆に、ディスクを複数持ち交換、選択することで4GB以上のデータを管理可能など利点がないわけではありませんが。。。。 さらにHi-MDの容量が1GBしかないということ、「USBメモリ(SDカード)1GBだといくらだよ、それよりずっと安いんだからいいじゃん」という意見もありますが、実際使ってみると Hi-MD一枚にはアルバム2枚程度しか入らないため(ベスト版などは一枚でほぼ埋まってしまいます)さすがに狭いですね。一枚で三時間ほど入ればとっても使い勝手向上するんですが。。。 ちと厳しい。リモコンはNE20ほど顕著ではありませんが、それでも音は悪くなるようです。値段が高いのと、ソニックステージが重いのは、ご愛嬌というところです。


続いて音質。

 この製品の特徴は、録音と高音質再生です。録音は使わないので書きません。で、その高音質再生ですが、まずスペックから申しますと、HDデジタルアンプ搭載、しかも、 出力のカップリングコンデンサの容量が当社比で2倍だそうです。NE20にHDデジタルアンプが付いてカップリングコンデンサの容量が2倍になったということですね。

 その恩恵はいかに!ということが問題なわけですが、その恩恵はかなりあると思います。まず一聴して思うのはその低音の質の高さ、容量2倍は伊達じゃないようです。その低音は NE20とは比べ物にならないほど締まっており、CT720(POS2)の低音のように、非常にしっかりした音です。さらにその量も不足することはなく、十分な量出ています。続いてHDデジタルアンプ の恩恵ですが、これもしっかり感じ取れたと思います。NE20よりもダイナミックレンジ、奥行間などが改善しているようで、さらに解像度も若干ではありますが上がったきがします。どちらかというと かなりHi-Fiな音によってきてますね。ドンシャリ傾向もNE20から比べれば抑えられ、音が素直になったと思います(かなりフラットです)。ナノなんかですと原音忠実性よりも力と太さで 押し切るような音ですが、こちらは、より原音に忠実に素直な音でという感じです。Hi-Fi傾向が増した結果、線が細いというか繊細な音になっています。 ノイズですが、NE20よりはノイズの量は多いようです。ヘッドホンジャックに接続した時、E4cで聞きましたが若干ごくごく少ない物ですがホワイトノイズがしました。 その量は、ナノとほぼ同等です。NE20が一番ノイズないのは変わりませんね。うーん。ほんの少しの差ですがナノよりノイズ大きいかも? この辺は、ER-6iとかE4cとかER4Pとかsuper fi Xとかじゃないと拾えないでしょうね。


ラインアウト

 ラインアウトの音は上で書いたような傾向であることは変わりません。前も書きましたが、解像度が高いことが外付けHPAを付けた時に有利に働きます。そのためNE20よりもさらに高解像度 ということでHPAとの相性はいいと思います。AD8065との組み合わせでは、音の分離がかなりハッキリした感じになり、逆に組み合わせとしてはマイナスですが、その潜在能力の高さに びっくりしました。RH1と組み合わせる場合ですとAD8610のほうがいいと思います。これで音の艶、揺らぎなども楽しめ、ナイスな音になるでしょう。


プレイヤー単体としての音質

 聞き比べをして一番思ったことは、このプレイヤー単体としての性能がすばらしいことです。E4Cで聞いた場合、NE20では鳴らしきれていなかった印象だったのにもかかわらずRH1ではしっかりと 鳴らせているようです。AD2000でも聴きましたが、組みあわせのいいNE20よりもさらにしっかり鳴らしてみせました。NE20にしろ、CT720にしろ外付けHPAをつなぐこと前提で考えてきましたが このプレイヤーならプレイヤー+イヤホン&ヘッドホン(能率の高い物に限る)でもかなりの音質を得ることができるでしょう。恐らく現行機の中で一番かと(2006/5現在)。非常に優秀です。


古ポに勝てるか?

 では、古ポに勝てるかということに興味がいくでしょう。ここで一番大切なのは、アンプが、アナログか、デジタルかということです。残念ながら、アナログアンプに見られる音の艶や揺らぎ などという物は、デジタルアンプで再現することは(現時点では)できません(できていません、音源に忠実なため)。さらに、かなり上からかなり下まで、隅から隅まで一定の解像度で再現するため、 聞こえに一番影響している中音域だけを特別忠実に再現するなんてこともできません。 一方、アナログアンプはかなり上とかなり下の音は、ある程度諦め、中音域(に重点がおかれることが多い)でより聞こえがいいようにセッティングされています。 そのため解像度ではRH1にはかないませんが、雰囲気感や透明感、ボーカルなどの声の生々しさ、などは古ポにはかないません。外付けHPAをつなぐならRH1以上の機種は存在しないと思いますが、 プレイヤー単体+イヤホン、ヘッドホンの組み合わせでは、古ポに軍配が上がるでしょう(古ポ愛用者は決してRH1の方が上とは言わないでしょう)。ということで、 完全に打ち負かすことはないのかもしれません。


最後に

 最後に思ったのは、Dr.DACと比べてなんですが(比べる方が悪い気がしますが)たくさんの音の粒を表現する時、その音の大きさの変化(大小)がいまいちよく再現できていないみたいです。 Dr.DACに比べRH1はどの音でも、ある程度聞こえるようにその音の大きさに差をつけないようにしています。この辺は、ポータブルとしては譲れないんでしょうね。 静かな中でポータブルオーディオで聴くなんてあまりないでしょうし。Hi-Fiという点からすると残念ですかね。ちと厳しい評価でしょうが。。。正直なところ、 単体でもかなりの完成度なので、HPAつけてまで聴くのはどうかと思ったりします(もちろんつけたほうが、ずっと音いいですが)。 さらに、もちろんですが改造Dr.DACにはかないません。ポータブルプレイヤーとしては右に出る物はないでしょうがね。。。

 あと、ノーマルMD−SPモードって256kbpsだったんですね。MP3(192kbps程度)より音がいい、とか感じていたんですけどそういう理由だったんですね。 音場補正効果付いてるMDPも多かったりしますし。。。などとと思ったりしました。


追記

05/19/06

 思ったよりもさらに、音の分離がいいようですね。多段型HPAつけてE4cできくとまるでE4cがE4cではないようです。音と音の粒が本当に離れている感じです。その上、Hi-MDディスクにはPCM、MP3、ATRAC ファイルともに混在させることができ、1GBは狭いと思ってましたが意外と広く使えそうです。PCMを700MB、MP3を300MBというような使い方もできますし。さらにディスクが交換できるんですから思ったよりも 使い勝手は悪くないと思いました。まぁ、PCMばっかりで埋めようとすれば、前述どうりに狭いですが。。。大きさも、持ち運びするには問題ないサイズで外付けHPAの方が邪魔です。 本体側で操作しなければいけないのはやはりおっくうですがインターフェイスも良くできてますし、大きさもさほど気になるほどではないので許容範囲ですね。




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