MDR-EX90SL







スペック

    型式       : 半密閉ダイナミックカナル型
    インピーダンス : 16Ω
    出力音圧レベル : 106dB/mW
    周波数特性   : 5〜25,000Hz
    質量      : 約7g(コード除く)
    コード     : 0.5m(OFC)


評価

 SONYが頑張って作った高級カナルの第一弾です。この製品の設計思想が後々他のSONY製イヤホンに投影されていくことになります。 SONY製ということで、使い勝手は上々です。ショートケーブル+延長ケーブルとなっており、プレイヤーにじかに刺して使うときなどはショートで、 家などでデッキなどにつなぐ時は延長ケーブルを使って、という感じに使い勝手は非常にいいです。ケーブルは普通のビニール?見たいな被覆ですが、 そこまで細いわけでもなく、断線は起こりにくいでしょう。寒さに弱かったりするのかな・・・。装着は非常にしやすく誰でも無理なくつけられるでしょう。 この辺もポイント高いですね。

 イヤーチップの遮音性はある程度ありますがそれほど良くないので外の音が聞こえます。5Proのやつに質感が似てますね。外部の音が若干聞こえるので、 E4c、ER-4Sなんかと比べれば安全でしょうか。イヤーチップも大きさが三種類あり、やわらかく、耳への負担は少ないですね。逆に、ハウジングも一緒に 耳に当たる形なので、ハウジングに耳のあか?みたいな物が非常につきやすいです。すぐごみだらけになります。定期的な掃除が必要なようです。 さらにこのハウジングには穴が開いており、音量が大きい場合はここからドンドン音が漏れてきます。電車では音量によっては無理でしょうか・・・・

 音の傾向は非常にフラットで刺激も少なく、モニターよりの音です。一番感じることは、動作原理がダイナミックであるのに、ドライバ径が稼げないため 低域の表現がうまくできないというところです。バランスドアーマチュア方式の場合は、ユニットが小さくても、しっかり締まった低音をガンガン出せますが、 ダイナミックの場合は、ドライバ径が低域特性にもろに影響するので、あまり低域の分解能が高いとはいえません。若干音をスポンジみたいな物で 詰まらせることで低域の特性を盛り上げて、不足にならないように、量感が減らないように努力しているように思えます。ER-6などと比べても低域の解像度はありませんね。

 高域は、SONY的な鳴りで硬く乾いた表現です。量感もばっちりですね。本当にバランスがいいです。中域も埋もれることなくきちんと聞こえてきます。艶やかさなども少なく ボーカル物を楽しくけるような音ではありません。とにかく癖なくという感じです。スポンジなどで結構音を調節しているため、音の輪郭が捉えにくく、奥行感や透明感 はあまり感じられません。音場もそこまで正確に定位することなく、どこかぼやけた表現です。その分音が太く力強さは感じられ、音圧もある程度出ますが、この辺は好みでしょうね。 モニターライクな音ですが、ER系とは根本的に聞こえが違います。もう少しドライバ径があればこの辺の問題も解決できそうですが・・・・。 解像度は値段の割りに頑張っていますが、ライバルが多いということもあり、それらと比べてよいかといわれると、そうでもなく、まぁまぁといった感じ。 コストパフォーマンス的には高いほうでしょう。

 聞き疲れですが、ハウジングに穴が開いており低音が抜けていくことや、高域もフィルターで調整しているようなので非常に聞き疲れしない音です。 ユニットも耳にあまり負担をかけず、長時間いけるような機種でしょう(耳への負担を考えると長時間はよくないですが)。非常に残念なことは、 思ったよりも、延長ケーブルの質が良くありません。E888の時はケーブルの影響をあまり感じませんでしたが、こちらは結構感じられます。 コストの面(思った以上にコストをつめている様子が伺えます)なんでしょうが、線材はもう少し良いものをつかってやったらもっと良かったのではないかと思います。そこが唯一残念ですね。

 全体的に見て癖がなく、なんでもそつなく聴こえてしまうため、高級カナル入門には最適かと思います。しかし、同時に面白くないので、 ヘッドホンイヤホンをいっぱい持ってる人にとっては魅力が少なく出番が少ないでしょう。使い勝手もいいですし、そんはしないでしょうが・・・・ あとケースが付いてくるようですが、使わないと思いますw。




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