MDR-E888LP







スペック

    型式       : オープンエアダイナミック型
    インピーダンス : 16Ω
    出力音圧レベル : 108dB/mW
    周波数特性   : 8〜27,000Hz
    質量      : 約7g(コード除く)
    コード     : 1.2m(LC-OFC)


評価

 国内メーカーのSONYのインナーイヤー型ダイナミックイヤホンです。これはだいぶ前に発売されたモデルで、かなり長く売れ続けています。 使ってみるとそのロングセラーな理由もわかり、とてもいい製品だということが感じ取れます。

 まずは、使い勝手から。国内メーカーに良く見られる左が短く右側が長いコードで、右側のコードは首の後ろに回して使うタイプです。E931などは 布巻きコードですが、これは普通の安っぽいビニールのような被覆材で、お世辞にも強度が強いとはいえません。その被覆材も弾力性があるため コードをまとめて束ねたりすると、その束ねた跡がビニールの凹みとして残ります。しかも、経年劣化で硬くなると思われ、最後は割れてくるでしょう。 大事に取り扱った方がいいですね。また、ユニットが若干小さめなので耳の形によっては、ぽろぽろ取れてくるかもしれません。品物にはスポンジが付いてくるのですが このスポンジは、よく考えて作られているらしく、このスポンジをユニットに取り付けても、音が曇るなどのマイナスの効果はほとんど現れません。もしかするとこのスポンジを つけることが前提で設計されているのかもしれません。スポンジをつけるとすべりも悪くなるので装着感などがアップします。私はL字プラグであるLPを買ってしまいましたが、 世の中にはストレートプラグのSPもあるようです。あと、音漏れですがスポンジをつけるとそれなりにあると思います。電車などでは気をつけたほうがいいようです。 また、ケースが付いているのですがこのケースでかすぎですね。使う機会はないと思います。

 音ですが、SONYらしいといえばSONYらしいのですが、かなりフラットなためその傾向は押さえ気味です。かなりフラットではありますが、厳密に言うと若干のドンシャリですね。 高音はエージングが足りない場合、若干シャリ付きますがだんだん収まってきます。エージングは必要な部類ですね。50時間くらい見積もった方がいいかもです。低音はかなり質が高く、 ユニットが小さい割にはかなり頑張っていると思います。締まった良質な低音が聞こえ、その低音は他の帯域を邪魔することはほぼありません。同価格帯のヘッドホンと比べても負けていないと思います。 高音の表現は、オーテクとまでは言いませんが、金属的な表現であることが多く、ソースによってはシャリ付きます。これはケーブルにLC-OFCを使用しているからかもしれません。 しかし、その刺激はあまりなく、疲れを感じません。同価格帯のオーテク製品(CM700など)と比べても聴き疲れが少なく、ヘッドホンのHP830などと比べても疲れません。 解像度は値段の割には非常によく、はっきりと音の粒が聞こえます。しかし、インナーイヤーなためか音場はあまりハッキリせず、モニター系に見られる、音が同距離から聞こえる感じです。 そのため奥行感があまり感じられません。それでも解像度が高いので透明感、クリア感は十分感じられます。 あえて言うのであれば、ドンシャリ感があることでボーカルが前に出る感じがあまり感じられず、アカペラのような人の声だけのソースでは物足りなさがありますね。

 音の感じは上記に書いたような雰囲気ですが、この製品はそれ以上にトータルバランスがよく、非常にうまくまとめられた製品だと思います。 現状(2007/2)では実売が約6000円ですが、6000円とは思えない音がします。若干の優劣はありますがER-6などと比べても引けを取らないと思います。 また、現状、カナル型の製品はかなり出てきましたが、インナーイヤー型はあまり数がなく、その中の選択肢として考えるのであれば非常に良い選択だと思います。 実際使用すると分かるのですが、カナル型の場合、外部の音が聞こえないということで、歩く時などかなり危険です。そういう点でもインナーイヤーを選ぶ利点は残っていると思います。 このようないい製品がこれからも開発されればいいのですが、あまり望めませんねw。

 最後に、インピーダンスが低く感度が高い割に機器側のノイズをほとんど拾いません。これは意外でしたが、国内のポータブルプレイヤーなどを考えてこうなっているんでしょうね。 ノイズが比較的多いといわれているGB9などで使ってもほとんど気にならないレベルでした。不思議ですが非常にいい特性ですね。また、しっかり鳴らすなら出力が必要な雰囲気を若干感じますが ポータブルでも十分にならせるレベルだと思います。いつも書くのですがE4cのほうがよっぽどならないです。非常に残念なことは、どうしても私の耳の形状に合わないことですかね。右側のユニットが どうしてもぽろぽろと取れてきます。うーん。悩ましい限りです・・・・・ (個人的に思うのですが、高音の解像度がしっかりしていること、低音が締まっていること、安いOFCのケーブルで見られる野暮ったさや、曇りなどがないことはすべてコードをLC-OFCにすることで 解決しているような感じです。一般には高音が五月蝿くなるものなんですが、この製品はしっかりコントロールされていますね。)




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