HP-X122-S2







スペック

    型式       : 密閉式ダイナミック型
    インピーダンス : 34Ω
    出力音圧レベル : 104dB/mW(JEITA)
    周波数特性   :  - Hz
    質量      : 230g(コード除く)


評価

 と言うことで二号機をつくってみました。材料は、ほとんど同じです。ケーブルは一号機のものをそのまま流用しました。スポンジの一部も再利用してあります。



 前回私が作った一号機は高音があまりでなかったので、今回はドライバ特性をなるべく変えないで改造することにしてみました。 改造内容は以下の通りです。まず最初に例によって例のごとくケーブルをこてで剥ぎ取ります。続いてバッフルに鉛を貼り付けていきます。 今回は粘着テープが付いている鉛シート(0.5mm厚)を使用してみました。今回はテープを使いましたが接着剤でがっちり固定したほうがいい結果が出るでしょうね。 鉛をはる時のポイントは一つです。それはすべてのポートをとりあえず全部塞がないようにして貼るということです。この時点ではドライバはいじっていません。




 それで、ポートをすべて維持したまま一面に鉛が張り付きましたら、スポンジを加工します。スポンジは写真のようなスポンジたわしを使いました。 パッケージに入っているたわしを半分に切って左右のハウジングにつめます。この時、低音を受け止められると思われるキムタオルをハウジングの底に敷いてみました。 最初たわしだけつめて聞いてみましたが、やはり低音を受け止めてくれる材料がハウジングの中にあるのとないのですと結構違うようです。 一番違うかなと思ったのは超低音域の音で、これは何も入れない場合ですとハウジングを通り抜ける、もしくはハウジングごとゆれるようにして散乱し、あまり聞こえないみたいです。 なので受け止めてくれる材料を入れたほうが好みの音になりました。ティッシュなどでも代用可能なきもします。すべてつめましたらネジで閉じます。 (この時、装着感改善の改造も行いました。たとえば頭頂部にスポンジをはるとか、スプリングをはずすとかです。あとはんだ付け&絶縁も忘れずにしないと。。。。)




 ユニットが全部閉まりましたら、次にアルミテープで音が漏れそうなところ全部を塞ぎました。私はハウジングの固定のつもりで行いましたが、あまり固定になってないよう気も。。。。。。。 アルミテープを貼るとかなりかっこ悪いですね。。。。。




 最後にドライバと耳との距離をなるべく稼ぐため、ウレタンスポンジをつめました。ここで使ったウレタンスポンジは粘着テープが付いているものを使うと作業が楽です。 これはかなりシビアみたいでウレタンスポンジの大きさと位置が左右で少しでも違うと定位がめちゃくちゃになります。正確に行なわいとだめなようです。 左右対称になるようにウレタンをつめたら一端の完成です。ここで聞いてみてバランスが悪いな〜と思われた方は更なるドライバ改変に挑戦してみてください。 →この時点で完成品@です。


ポイントと音の変化

 この改造では、高音がかなりシャリシャリいうようになります。その理由は、バッフルが不要振動しなくなることでより多くの高音が出るようになり、 さらにドライバのすぐ裏(紙が付いているところ)にスポンジと言う障害物があるため(さらに高音が反射するから)と考えています。
 このスポンジと言う障害物を取ると高音が若干落ち着きますが、やはりバッフルを固定するようにスポンジを詰めた方が好みの音だったのでこのような結果になりました。 この改造でも、篭っていると感じる方は、スポンジの密度を上げていくといいと思います。同時に高音がさらに強調される気もしますが。。。。低音は締まっていくと思います。 私は荒いスポンジを使いましたがもっといい素材があるかもしれません。あとハウジングを完全に密閉化しようとしたのは、少しでも低音が外に抜けていかないようにと考えたからです。
 最後に一番耳に近いスポンジは絶対に取らないでください。もろに高音が刺さりますので。。。

 

更なる改造

   一応、完成した、完成品@ですが、やはりこの状態では、聞くに堪えないほどシャリホンでした。これ以上、ドライバ特性を変えずに バランスを取ることは非常に難しいようです。  



 そこで、思い切ってドライバ特性を変えることにしました。具体的には、ドライバに張り付いている紙の一部を開放すると言うものです。 開放に使った道具はピンバスです。これで、ドライバの穴を塞いでいる紙に1mmの穴を開けました。  

 前も書きましたがこの紙が高音を反射するため、シャリホンなわけです。つまり、この紙に穴を開けると、高音の量が相対的に減少します。さらに同時に、ハウジングで反射した低音も紙の穴を通して 耳側に抜けていきます。なので穴をあけるほど高音が少なくなり、低音が増し、篭るようになるようです。私の場合、紙で覆われているドライバの穴全部(もともと開いている穴は無視)に 1mmの穴を開けました。この時、ドリルが紙を通り抜けて、振動板に傷をつける可能性があるので、慎重に行いました。 私は全部に穴を開けましたが、高音の量を見ながら徐々に穴を開けていったほうがいいようです。




 次に、この穴あけにより、音が篭った感じになりました。なのでこの篭りを退治することにしました。穴あけにより相対的に低音の量は増えたと思います、なのでここは詰め物をして 低音の質を改善してみました。これまでのエアサスと同様に、密度の高いものを詰めればつめるほど、低音は締まり、その量も減っていくはずです。私は、写真のように、キムタオル、 台所用スポンジ、スポンジたわしと詰めました。

 これでだいぶ篭り感がなくなったみたいです。バランスもよくなったと思います。この状態では、元のように若干ドンシャリですね。穴を開けた後はソースによっては高音が割れるような、 暴れるような感じがするようですが、この辺はバランスと引き換えでしょうか。あとは穴のあけ方と、スポンジの詰め方で、調整するしかないですね。→ここで完成品Aです。



総合的な音の変化

完成品@

 前回作った一号機はゼンハイザーみたいな音質でしたが、今回作製した完成品@はまるでAKGのような音質になったと思います。まるで正反対と言った所でしょうか。 高音が華やかで、低音は締まっています。さらに定位もしっかりしたようで、分解能も上がったように感じます。でもこれは低音が締まって高音が多く出ているからで根本的には 一号機と大差ないのかもしれません。温かさなどは一号機のほうがあり、完成品@はモニターライクで硬い音を出します。あとポートを改造していないため音が耳の近くでなってる感じは なくなりません。
 ポートを開放してある一号機では音がハウジング内で響きその音が聞こえるので、左右上下にかなり広い空間表現ができますが、今回は紙をいじっていないのでハウジング内で響いた音は 低音以外はほとんど耳に届きません。逆に高音は紙によって反射してきますのでかなり聞こえてきます。AKGと書きましたがむしろオーテクの高級機種のような、鳴り方かもしれません。 あと音もれですが、これはアルミを張っているので若干向上しますが、遮音性はあまりあがりませんでした。塞いだ穴以外にもどこか音が通る場所あるのでしょうね。

完成品A

 この状態では、紙に若干なりとも穴が開いたので、完成品@よりは空間表現ができるようになります。同時に低音はスポンジで減衰し、その音がポートを通って聞こえるので、 温かみが若干出るようになります。さらに調整したので当たり前ですが、バランスもかなりよくなったと思います。解像度は、完成品@と大差ないでしょうか。 結局ドンシャリになったところを見ると、突き詰めればドンシャリにならざるを得ないのかもしれません。完成品@よりは若干篭った感じですが、 バランスがいいのでこっちのほうがいいかな。




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