Dr.DAC







スペック

  最大出力レベル  :300mW
  全高周波歪率   :0.0008%以下
  SN比       :114dB
  電源       :DC12V 500mA 
  入力端子     :ライン入力、光、同軸デジタル入力


評価

 改造で有名なDr.DAC。私はサウンドハウスのキャンペーン中に衝動買いしてしまいました。初期状態は以下。

   DAC:AK4395(単体で120dBのS/N比があり、24bit/192kHzステレオまで対応)
   プリ部:OPA2134PA
   ヘッドホンアンプ部:JRC5532DD
   ヘッドホンアンプバッファ部:JRC4580E×2
   全体でのS/N比は114dB
   DACアウト、ラインIN共にプリ部を通る
   ラインアウト時はプリ部を通った直後に出力(ヘッドホンアンプ部は無関係)
   コンデンサは韓国製の物が多い

 そのままではあまりたいしたことはないのですが改造によってかなり音が良くなるようです。 入力も24Bit192kHzまで可能なのでDVD-audioなども完全に再生可能である(と思われます)。 最初はOPA2604AP二個に付け替えてしばらく聞いていましたが、やっとOPA627BPが手に入ったので改造してみました。 内容は

 ・ OPA627BP*4に交換(接点にナノカーボンPC散布)ゴールドニッカスにて半田付け
 ・ ぬれるところ全部をSPI-015Sにて塗装
 ・ OPA627BP*4にスーパーXコート&SPI-015S散布
 ・ 電源を秋月のものに交換しフェライトコアをつけた
 ・ オーテクの同軸デジタルケーブル接続(電源のアースと接続)
 ・ 内臓電池を取り外しジャンパをはずす
 ・ 基板に耐湿&絶縁スプレーを散布

 コンデンサ交換以降をやってしまうと保障がなくなってしまうので補償範囲でがんばってみました。 巷ではDSIXを使うと良いとかかれていますが、高いのでオーテクのケーブルで妥協。音はこの状態でも かなり向上したと思います。OPA627BPはちょっとAD2000との相性はいまいちですが、 一番よくなってくれているのでこれでいいでしょう。


追記

2/13/06
 制振合金のチップが手に入ったので貼ってみました。これは貼るだけなので保障はそのままです。 写真に写っているチップは全部で10個でした。



 貼った場所は、

 ・ オペアンプ二つに対して1個
 ・ 同軸デジタル端子の上
 ・ ACアダプタ接続端子の上
 ・ DACチップの上
 ・ デジタル入力をさばいてるチップ?の上
 ・ バッファの4580に一個づつ
 ・ 電源トランスみたいなものの上
 ・ PCの出力端子の上

 で10個でした。貼った後は、かなり音が澄んでいる感じになります。でも全部に貼ると、音が変わりすぎて、ちょっと澄みすぎてしまう感じもありますが 透明感が増すように感じるのでこのままでいいですかね。もし、あまり澄みすぎて、聞いててつまらない!と言う人は適当に間引いてください。 この制振合金はSPI-015Sに入ってるものとおそらく同じですね。あと私は両面テープで接着しましたが、強く固定すればするほど効果が高いそうです。 瞬間接着剤とかでつけるのが一番効果的かも?。意外とPC側(サウンドカード)を制振すると効果的なのかもしれません。 (このチップの原理は本当かどうか知りませんが音は変わります。調整用としてはいいのではないでしょうか)

3/17/06
 意外と効果あったのでもう二セットかって来ました!!。さてさてはりはり。。。。今回はディスクの径が6mmでした。

 ・ ボリュームに2個
 ・ ヘッドホン出力に一番近いコンデンサ(4個)
 ・ クロックの上に1個
 ・ クロック近くのICの上に1個

 またまた、濁りが少なくなったきがします。より鋭さを増す感じです。なんかだんだん627BPの音でなくなっていくような気もします。 さらに、貼り付けるところは、より出力に近い場所の方が、効果が大きい気がします。貼り付け前後で聞いてみましたが、ボリュームと、出力近くの コンデンサに貼り付けたとき効果が大きかったです。

 逆に、OPA多段型のほうにも張って見ましたが、あちらの方はあまり変化がありませんでした。 もともとオーディオ用電解コンデンサは、振動やノイズに強いように作られているのかもしれませんね。

 さらに、ホームセンターで、大理石のタイル300*300*10mmおよび、ずれ落ちないシート?を購入してきました。これで下にあるモンスターPCの振動も伝わりにくいでしょう。 最初は制振チップをインシュレーターとして両面テープで固定とか思ってやってみましたが、意外とぐらつくので却下。んでこんな風になりました。これでかなりしっかりへばりついて いてくれます。タイルは下のPCのノイズもある程度防いでくれるでしょう(希望)。効果は聞き取れるほどあるか微妙ですが。。。。。


4/16/06

 さらに追記です。OPA多段型HPAの方に制動振動チップを貼り付けては、取り、聴き比べしていて思ったことが。。。。それはスーパーX(シリコーン系接着剤)とこのM2052の相性が良くないらしい と言うことです。色々試しましたが、スーパーXコートの上にチップを張ると、音が濁ると言うか、オペアンプの個性を食ってしまうと言うかそのように感じました。 スーパーXコートした上には張らないほうがいいみたいです。さらに、水晶(クロック)の上に貼るのはまずいのではないかと思い撤去。

 というわけで、OPA627BP(スーパーXコート済)の上のチップを取り外しました。余ったチップ一個は、貼ろうかなあと思っていた別のICに貼り付けました。

 んで、音の変化ですが、OPA627BPの音が戻ってきたようです。今までは627とはかけ離れていた感じでしたが、今度はしっかり個性が引き立っています。 やはりスーパーXとM2052の相性は悪いのでしょうね。若干音量が上がった気もします。

4/24/06

 内部をさらし上げ







4/12/07

 いんちきディスクと塗り物をして一年ほど聞いていたわけですが、このごろ自作アンプのレベルが上がってきて、 Dr.DACが発熱すると同時に現れる音の曇りが許せなくなり、そろそろ時期かなと思ったところに、AIRさんのアドバイスもあり、改造を決意しました。

 そろそろ保証もなくなるだろうということで、一大決心し基板にも少し手を加えてみることにしました。 これを購入した当時はまだMUSE-FWが未発売で、コンデンサ交換ならKZをと考えていましたが サイズの問題が大きく躊躇していました。そんなおりFWが発売され、使ってみるとこれの音域帯域が好みだったので このコンデンサで交換しようと決心し、交換に踏み切りました。



 オペアンプの電源や、音声信号の近くは全てFWに交換。一番大きいFWのコンデンサは1000uFです。写真奥の緑のコンデンサはMUSE-FXです。これはクリアランスの問題で 16V-1000uF-FWが入らなかったので、FX470uFになっております。デジタル関係の電源の安定化に使われているコンデンサはOSコンに、フィルムとタンタルコンデンサは音色が好みなので 交換しておりません。あと、カップリングと思われるコンデンサは排除し、オーグラインで直結にしました。恐らくオフセットはオペアンプ依存なのでOPA627を使う分には問題ないでしょう。

 音の変化に伴い、いんちきディスクを大幅に排除しました。今付いてるのは
   ボリュームに2個
   電源スイッチに1個
   RCA(OUT)に1個づつ
   ACアダプタのジャックに1個
   デジタル入力端子の上に1個
   電源部のコイル?みたいなのに1個
です。ちなみにバッファの4580の上に貼ったのはとりました。あまりに高音が詰まる感じがあったためです。

 改造の最後に対費用効果を求めて、OPA627BPをAUに交換。ちなみにスーパーXのコートのみを行っています。(しかも前段と後段でロットが違うという・・・)

 音の変化ですが、より角が立つ音になりました。コンデンサ交換直後は、きつくて聴いてられませんねw。これはカップリングコンデンサを排除したためでしょう。 さらに、温度上昇、音の曇りもかなり少なくなり見渡しがよくなりました。絶対的な解像度は交換前と対して違わないような気がしますが、音の立ち上がりの速さや、 低域の特性が若干よくなった様に感じます。エージングがまだあまり進んでないのでなんともいえませんが、交換する価値は十分あるようです。 あと、音の詳細が今までよりも把握しやすくなったのでボリュームの誤差と思われる定位のずれが若干見られます。 少し音が左に寄ってるような・・・・・・ギャングエラーもコンデンサ交換前はほとんど分からなかったのですが、明確にわかるようになってしまいました。

 できれば、パスコンと思われるフィルムは積層セラミックなんかに変えたほうがよさそうですね。またヘッドホンアウトから音を出す場合だとどうしても4580を咬んでいるせいか 高域の伸びや、音の艶などがあまり感じられません。ラインアウトからMICE、NICEを通すと十分に感じられるので明らかに4580が足を引っ張っているようです。 ここを交換となるとだいぶ厳しい物があるので、しばらくこのままで様子を見たいと思います。ラインアウトすればいいわけですしw。

 最後に、作業を行ってくれたAIRさんに感謝申し上げます。これから通信兵2号として頑張っていこうと思います(笑)


7/07/07

 またまたDrDACを改造してみました。せっかく買ったICがあるのに使わないのはかわいそうだったのでw。 ICBOXの中に突っ込んだままでは宝の持ち腐れですしね。

 それで、ご存知のようにこれがヘッドホンアンプのバッファ部の初期状態。



 もうすでにカップリングコンデンサは取っ払っております(写真右側)。この真ん中のICがヘッドホンアンプ部のバッファです。これを交換します。




 外した状態が上の写真。フラックスがいっぱいついてますね。

 外し方が一番難しく、コツがいるようです。

 まず、片側の足に少し大目の(水の滴一滴くらいの)ハンダをたらして、足を全部ハンダでくっつけます。 その後、ICと基板の間にピンセットのような細い物を挟み、ICの足の上からコテを当てながら上方向にそーっと引き上げます。 ハンダが溶けると同時にICが浮くので、軽い力で持ち上がる場所まで持ち上げます。これで爪楊枝一本か一本半くらいICが浮きます。

 この状態で、今度はコテをICと基板の間に入れて基板とICの間のハンダの連結を解きます。 このとき、ICが下に下がろうとするので、ピンセットなどで抑えておきます。

 ハンダの連結が解除できたら、後は簡単です。ピンセットでICを持ちながら、逆側の足に先ほどと同じほどの (一滴ほどの)ハンダを流すと、足を固定しているはんだが溶けます。そうすれば、力を加えなくても、すぐにICが取れます。

 一番危険なのは焦りです。10-20Wのコテなら、基板が溶けることはないので、ゆっくり、慎重にトライします。 「うまくいかないな」と思ったら、ハンダ吸い取り線で全部ハンダを吸い出してリスタートします。 あせらなければ出来ます!(きっと)。ちなみに、ハンダ吸い取り線はケチらず、少し長めに切って使いましょう。 そうしないと、ハンダ吸い取り線がばらばらになります。これでえらい苦労しました。

 それで、ICを外したら、今度は外したICの跡に残っているハンダを全て吸い取り線で取り除きます。 全て取れれば完全にフラットになります。ハンダ吸い取り線も基板にくっつくので、あせらず、 しっかり熱を加えて、力を入れないでも動くようにしてからハンタ吸い取り線を取り除きます。大事なのは根気です。



 きちんと処理できたら、ICをのせて上からフラックスを塗ってあげましょう。フラックスを塗るとノリの様に ICが基板にくっつくので、ICの位置を慎重に決めます。ICの位置がきまったら、上からピンセットで押さえつけて、 絶対動かないようにします。この状態で、コテ先に出来るだけ少なくハンダを乗せて、 乗せてから5秒以上後に、そのハンダが乗ってる部分をICの足にチョンとなるべくすばやく当てます。 そうするとハンダ自身の熱でハンダがフラックスを伝って流れますので、こうなればICの足同士がくっつくことがないです。 もちろん動きはICの足と平行にします。

 同様に他の足にも、ほんの少しだけハンダを乗せます。十分に乗って大丈夫だなと思ったら、もう一度フラックスを塗ります。 今度は、ICから一番遠い基板のパターンの端っこにコテを当てます。そうすると、フラックスを伝って、ハンダが綺麗に基板とICの 足の間に流れてキラキラになるので、こうなった状態で、テスターで電通を確かめてください。

 すべて、きちんとハンダ付けできたことをテスターで確認できたら完了です。もちろんICは○の印をあわせて置きます。



 奥の方にも、もう1つバッファのオペアンプがあるのでそれも同様に外します。

 もちろん、ICをつける際もハンダ吸い取り線でリセット可能ですので慎重にやります。一番怖いのは基板パターンの 剥離です。非常に怖いです。先にも書きましたが、基板は結構熱に強く、ICも手で触れないくらい熱くても余裕で平気なので、 根気強くやるだけです。焦らないように焦らないように。もちろん、ハンダ付けはなるべく低温のほうがいいです。 バッファオペアンプ交換は結構難易度が高いので、コンデンサ交換が楽に出来るくらいの腕が必要だと思います。



 ちなみに基板の右側に乗っているのが元のオペアンプで、4580E?だったかな。それで付け替えたオペアンプはAD8066ARMZです。デジキーで買いました。

 それで、音だし確認してエージングを・・・・

 音の方はというと。まず、4580EからAD8066に変えてオフセットが一気に減りました。3.6mVくらいのものが、1.5mVと0.0mVになりました。 あとAD8066ですので、すごく速い音になって、4580に見られる温かさみたいなのがなくなって、低音が出なくなりました。 エージングでちょっとづつ低音は出てきているようです。

 高域が伸びるようになったので、小うるさい感じになりました。聴いたことがある人は分かると思いますが、まさにAD8066の音ですね。 この変更によって、±15Vモードにはできなくなりました。非常に乾いた音です。ヘッドホンアンプ部にOPA627がささっているのですけどね。 ちなみに作業は約一時間でした。

 しばらく聴いていますが、思ったよりは音がよくないです。AIRさんのDrDACを聞いてしまっているからというのも大きな理由なきがしますが・・・。 4580よりはいい音になっているとは思います・・・・。結局のところ、オペアンプがバッファではやっぱりきついんですよね。 しかも、かなり絞ってある(高速動作させない)ような感じですので。やっぱりBUF634つまないと大きな飛躍はできないでしょうね。 定位に関してはかなり良くなったと思います。



 おまけ写真。











7/07/07

 音の統一感を調整するため、ヘッドホンアンプ部のオペアンプをOPA627AUからADA8620に交換。




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