ATH-ES7







スペック

    型式       : ダイナミック密閉型
    インピーダンス : 32Ω
    出力音圧レベル : 100dB/mW(JEITA)
    周波数特性   : 5 〜30,000Hz
    質量      : 160g(コード除く)


評価

 ポータブル用途として使われることが多いだろうオーテクのES7。うたい文句は平らにたためることと、 ステンレスハウジングでしょうか。鏡面仕様で、鏡の代わりになります。

 まずは全体的な作りから。最初にヘッドバンドですが、これはプラスチック製ではなく、ゴムのような弾力のある 樹脂?で出来ており、頭につけると滑り止め代わりに働くのですが、髪の毛がちょっとくっつく感じがするので いい感じはしません。逆に、本体が軽い割にはずれないと思います。また、ウイングサポートではないので そこまで装着感がいいとも感じませんね。ポータブルということで、軽量で作りもシンプルに出来てはいますが、 通常使用する限りにおいては不便な感はしません。たためることもポイント高いですね。側圧が若干きつく頭の大きい人には厳しいようですが 長い時間使えば、それなりに頭にあってくるような気がします。装着感を改善するために、ヘッドバンド周りを曲げてる人なども見受けられますね。 私はやりませんが。。。。この金属はAD2000のように形状記憶合金なんでしょうか?。もしそうだったら、気温が上がるほどにアイアンクローに・・・・

 続いてヘッドホンのケーブル。このヘッドホンのケーブルはヘッドホンの大きさの割りに非常に細く頼りない感じがします。3-4000円のヘッドホンのケーブルよりはいいものを使ってるみたいですが、 さすがに細いですね。一応本体がある程度でかく、重いので、強く引っ張ったり、引っ掛けたりするとすぐに断線しそうです。改造するならここからなんでしょうが、 製品としては少し妥協しすぎな感じがしますね。この製品は譲ってもらったわけですが、既に断線を一回経験しています。

 続いてハウジング。ハウジング表面は磨き上げられており、鏡のように光を反射しますが、逆にここに周りの風景が写り込むので、 カッコはいいですが、外で使うと色々目立ちすぎる気がします。また傷などが付くと、ドンドン見栄えが悪くなりますねw。つや消しくらいで 抑えてもらったほうがいい感じがします。また、半耳乗せ型ですが、思った以上に音漏れしなく、遮音性も良いようです。この辺はきちんと考えられていますね。 あと分解した写真をネットなどでも見かけますが、ここがステンレスであることの意義はどのくらいあるのだろう・・・というような内部構造になっています。 ステンレスとプラスチックは接着されてるのかな?・・・・不要振動しないのでしょうか・・・・。

 続いて音の感想ですが、帯域は広い目で見ればフラットだと思います。しかし、ヘッドホンの駆動力が低い機器に接続すると低域がふくらみまくるので、 相性があるようです。手元にあるA900LTDなどはインピーダンスが40Ωであり、使ってみた感じでも、あまり接続先の影響が見えにくい作りですが、 これはポータブルで音量を取るという目的があるためか、インピーダンスが32Ωと若干低く、しかも、ドライバユニットがある程度大きいのできちんと制動をかけるには それなりに接続先側に能力を求めるようです。解像度、分解能はこのクラスでは頑張っているようですが、もう1つといったところ。また音場が狭いと 話題になりますが、私が感じた限りでは、そこまで狭いわけではなく、まるっきり音が平らというわけではないようです。それでも他と比べると 狭いですが・・・・・。

 また分解能はそれなりですが、音の分離が余りよく聞こえるほうではないため、生ロクや、クラシックは余りあわないようです。 それに比べ、打ち込み系の音は非常によく再現してくれるので、ノリのよさも手伝って楽しくきけます。若干残念なことは高域の再現性というか、分解能でしょうか。 音自体はきちんと不足なく出ているのですが、あまり伸びや、きらびやかさなどが感じられません。この辺はケーブルにも関係しているのかなと思います。 高域自体は乾いた感じで、一般的なオーテクのものよりは刺激が少ない感じです。帯域のバランスなどはいいのですが、どうしても上位機種と比べると この辺は劣ってしまいますね。聞き疲れは思った以上に少ないと思いますが、低域が膨らみがちなのでそっちが多く影響するでしょうか。 低域で酔ってしまう人は避けたほうがよろしいかと・・・・。

 最後に全体的な評価ですが、値段の割には非常に頑張っていると思います。唯一残念なのは、ケーブルの細さ、断線のしやすさと、音場感でしょうか。 音場感はまだ許せる範囲ですが、ケーブルはいかんともしがたい感じですね・・・断線が怖いです。また持ち運びを考えてある作りや、軽さの追求なども 非常にいい方向に出ていると思います。それでも、音の分離が甘く、オーテクの音であることには変わりないので、苦手な人は苦手でしょうか。 締まった低域さえ出せれば非常にいいヘッドホンだと思います。今現在(2007-12〜)ならコストパフォーマンスもいいですね。




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