ATH-AD2000







スペック

    型式       : オープンエアーダイナミック型
    インピーダンス : 40Ω
    出力音圧レベル : 102dB/mW(JEITA)
    周波数特性   : 5 〜45,000Hz
    質量      : 250g(コード除く)


評価

 非常にフラット(厳密に言えば低音より(若干曇った感じがする)で高音の量は他のオーテク製品に比べ少ない)。 癖も少なく何でもそれなりに鳴らしてくれます。一般的にオーテクの製品は打ち込みの音に非常に相性がいいですが、 このモデルは録音でも打ち込みの音でもほとんど変わりなく鳴らします。そういう意味では珍しいヘッドホンです。 私はアパートにいるときはスピーカーで音楽を聞いています。使用しているスピーカーはパイオニアのS-A7-2ですが、 そのスピーカーに非常に似た音が出ます。ヘッドホンをしているという感覚よりスピーカーで聞いている感じに近いです。 一般的にヘッドホンはスピーカーと違いかなり味付けがなされているものですが、これはほとんど味付けを感じません。 聞いていて面白みにかけるかもしれませんが、その分聴き疲れもしません。個人的には非常に好感が持てます。

 やはり値段がすることもあって解像度、音場ともにかなりよいレベルであると思います(厳密に言えば音が耳の近くで鳴っている感じはします。これはADシリーズである程度共通なようです) 。エージングもそれほど時間がかからなかったと思います。コードが若干、癖がつきやすく扱いずらく感じました。またコードは両出しですが、個人的には片出しよりも両出しの ほうが好みです。

 このモデルの問題はやはり耳がヘッドホンの内側についてしまうことです。使用者によっては耳が痛くなる可能性があります。 私も長時間つけていると痛くなります。そのほかに側圧が強いなどとよく言われます。そのとおり側圧は強いと思いますが、 ヘッドホン全体で頭部を押さえている感じなのでそこまで醜いとは感じませんでした。帽子をかぶっている感覚に近いと思います (また、ヘッドバンド?が形状記憶合金でできているので室温が高いほど側圧がきつくなります)。

 良くも悪くもオーテクらしさは感じられません。シャリつきもほとんどせず、ほかの製品と比べれば、低音よりです。 個人的には非常に出来がよく、これを基準として評価してもいいくらいだと思っています。

 この製品はインピーダンスがある程度低く、感度も高いため非常に多くの機器で鳴らせるでしょう。 その実力を発揮させるには高価なアンプが必要とされるでしょうが、逆にチープな環境でもある程度鳴ってくれると思います。 HD650などはインピーダンスが高いことなどにより使い勝手がいまいちといわれていますが、これは使い勝手という点では優れていると思います。 「一個で何でも聴く」ならぜひ選択肢に入れて欲しいと思う製品です。

 このごろサウンドカードをJuli@に変えて100時間ほどたつのですが、サウンドカードのエージングが進んできたのか みるみる音の質が上がってきたようです。AD2000ですとその違いはより鮮明に聞き取れ、AD2000の底力を見た気がしました。 こうなってくるとCD音源ではなくDVD-audioなどを試してみたくなりました。

 また弱点も発見しました。解像度も高く、たくさんの音でも再生できていますが、その音一つ一つの輪郭がほんの少しですがにじんでいるような、 ぼんやりするようなそんな感じがします。これはソースのあらなどをなるべく目立たなくするためにとっている仕様と思われますが再現性という点では マイナスです。E4cやER系のイヤホンで聞くとよく分かるのですが、明らかに表現方法が違うようです。逆にこれがAD2000の味だと言われればその通り なのですが、周りの機器が高級になればなるほどきになってくるでしょう。





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