ATH-A900LTD







スペック

    型式       : ダイナミック密閉型
    インピーダンス : 40Ω
    出力音圧レベル : 103dB/mW(JEITA)
    周波数特性   : 5 〜42,000Hz
    質量      : 350g(コード除く)


評価

 非常にフラット(厳密に言えば低音よりで高音の量は他のオーテク製品に比べ少ないがシャリ付く)。 癖も少なく何でもそれなりに鳴らしてくれます。これは録音音源よりも打ち込みの音に相性がいいようです。 オーテク製品全般に言えることですが耳の近くで音がなっている感じはします。さらに低音は量が出ているわりには 篭り感がありません。非常に解像度が高く聞こえます。音場や空間表現はAD2000から比べ出来ていませんが これはオーテクの苦手な部分なのでしょうがないでしょうか。それでも音の広がりはAD2000よりもいいみたいです。 ゼンハイザーのようにかなり大きい空間表現と比べればちいさいものです。高音は、金属的になりますが他のオーテク製品に比べればそれほどきつくありません。 さらに音の伸びや響きもAD2000から比べると少ないと思います。この辺は密閉型に合わせ控えめにしてあるのでしょう。

 A900を長時間聞いたとこはありませんが、A900を力強く、シャリつきを半分にしたような感じです。 華やかさはA900のほうがあるかもしれません。違うページで書いたA9Xと比べれば、すべての点で上回っていると思います。 A9Xで感じた音のスカスカさもあまり感じられません。それでも音が非常に厚い部類ではないです。低音が若干強く、音の厚みもましたのでA900よりはノリが良いと思います。

 装着間がとてもよく、長時間聴いていても疲れは少ないと思います。しかし、やはり本体はある程度重いので ずっと聴いてるというわけにはいかないようです。密閉型のせいかもしれませんが、音自体は聴き疲れしないはずなのに なぜかいつの間にか疲れています。AD2000はかなり長時間つけていても聴き疲れはほとんどなく、ヘッドホンに当たってる耳が物理的に痛くなるのが先ですが これはそれより先に聴き疲れがきます。密閉型特有の症状だと思います。音漏れも、遮音性も良いほうでこれが影響しているのかもしれません。

 エージングは必要な部類です。最初は高音がシャリつき、低音が出ませんでした。エージングが進んでくるとシャリ付が収まり、低音も力強くなってきたと思います。 最低50時間くらいは必要かと感じました。

 コードが若干、癖がつきやすく扱いずらく感じました。またコードは両出しです。AD2000と同じエラストマーで、中身はHi-OFCらしいです。 ドライバ、ケーブルともにAD2000、AD1000で培った技術をそのままフィードバックしているのだろうと思われます。音の感じも従来のアートモニターシリーズよりも AD2000側によっている感じがします。

 全体的な音質も、装着感もかなりいい部類ですが、それでもAD2000と比べてしまえば違いは大きいです。定価も半額以下だから当たり前なのでしょう。 それとともにA900をベースにしているせいか、本体のつくりがしょぼいです。本体はプラスチックの部分が多く、L-Rの識別にいたってはシールです。 イヤーパットは若干高いものを使っているようですが、全体的に見て三万も出してこの程度かと思わせる作りです。もう少し高級な感じにしてほしかったです。

 現在、ヘッドホンは開放型の開発に力を入れていて、高級な密閉型のヘッドホンは日に日にその数を減らしています。密閉型はなくなりはしないと思いますが この辺でひとつ高いのがほしかったので購入しました。この時期に購入できたのはかなり田舎だったためでしょう。今のところ製品には大筋で満足しています。 フラットで篭らないのはこの値段ではおそらくこれくらいでしょう。あと627BPを挿したDr.DACとの相性が結構いいです。AD2000よりも適正は高いと思います。 しかし、Dr.DACで鳴らした感じでは、Dr.DACが表現できるレベルとA900LTDが表現できるレベルがほぼ同じ程度で、AD2000で鳴らしたときとくらべ 余裕がない感じがします。やはりAD2000、HD650レベルでないと改造Dr.DACの真の力は発揮できないのでしょうか。




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